松涛美術館 景徳鎮千年展 皇帝の器から毛沢東の食器まで

景徳鎮の陶器を見ることはしばしばだけれども、系統だって知る機会は今まで無かった。そのため、私にとっては興味深い企画だった。ほんの数十メートルの部屋の端から端までで1000年分凝縮して見れるので、作陶技術の移り変わりが良く分かって面白かった。ただ、やはり作品に時代の勢いのようなものを感じられるのは明の時代ぐらい迄で、現代に近づいてくると、技巧が勝り、例えば、一見、七宝焼に見えたりするような、陶磁器とは見えないものも出て来ていた。

上の階では、「毛沢東の食器」の方を展示されていた。毛沢東の「奥さん」の食器では?と思ってしまうほど、女性的な、可愛らしいデザインの食器類。毛沢東が詩に詠んだ、梅、桜、桃、芙蓉、菊の図案の中から、梅、桜、桃が選ばれたということだが、図案を見ると、選から漏れた芙蓉と菊は確かに可愛さという点においては若干劣っており、やはり毛沢東は可愛い食器がお好きだったと見える。そういえば、以前、ロンドンのVictoria & Albert Museum(だったか?)で見た毛沢東時代の中国の共産党のグッズも、キッチュでポップかつ可愛らしさのあるもので、意外な気がしたことを思い出した。なお、新日曜美術館では、磁器の白い地は、白い生地を使ったものだと言っていた。確かに透明感のある白でちょうど白く着色したガラスのようであったが、そういうことだったのか。

松涛美術館へのリンクではないけれど、画像がいくつかあるので、こちらのリンクを貼る。
http://www.hum.pref.yamaguchi.lg.jp/tokuten/H19/keitoku/keitoku.htm