2008-01-01から1年間の記事一覧

万葉集の隅田川

万葉集を眺めていたら、弁基という人の歌(298)にこんなものがあった。 亦打山(まつちやま)夕越行きて廬前(いほざき)の角田河原(すみたかはら)に独りかも寝む ― 真土山を夕暮れに越えて行って角田の河原に妻もなく寝ることか― 講談社文庫「万葉集―全…

すみだ郷土文化資料館 開館十周年記念特別展 「隅田川文化の誕生 −梅若伝説と幻の町・隅田宿−」

開館十周年記念特別展 「隅田川文化の誕生 −梅若伝説と幻の町・隅田宿−」 開催期間:平成20(2008)年11月15日(土曜日)から平成21(2009)年1月16日(金曜日) http://www.city.sumida.lg.jp/sisetu_info/siryou/kyoudobunka/info/sumidagawabunnka/index.html …

歌舞伎座 十二月大歌舞伎 昼の部

歌舞伎座百二十年 十二月大歌舞伎 昼の部 一、新歌舞伎十八番の内 高時(たかとき) 二、京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ) 三、東山桜荘子 佐倉義民伝(さくらぎみんでん) http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2008/10/post_31.h…

永青文庫  秋季展 「細川家の能面・能装束」

秋季展 「細川家の能面・能装束」 前期展示:9月23日(火・祝)〜11月9日(日) 後期展示:11月11日(火)〜12月25日(木) http://www.eiseibunko.com/exhibition.html もうすぐ終わってしまうので、焦って行って来た。はじめて永青文庫に来…

三井記念美術館 寿(ことほ)ぎと幽玄の美―国宝雪松図と能面―

2008年12月10日(水)〜2009年1月24日(土) 「旧金剛宗家伝来能面」54面の重要文化財新指定記念 寿(ことほ)ぎと幽玄の美―国宝雪松図と能面― http://www.mitsui-museum.jp/exhibition_01.html 「旧金剛宗家伝来能面」が展示されているという…

国立能楽堂 定例公演 内沙汰 龍虎

狂言 内沙汰(うちさた) 野村万蔵(和泉流) 能 龍虎(りょうこ) 出雲康雅(喜多流) http://www.ntj.jac.go.jp/performance/1808.html 内沙汰伊勢詣に行こうという右近(野村万蔵師)と、歩くのは嫌だという妻(野村扇丞師)。右近は、「それであれば、近…

何故、文楽や歌舞伎の実盛はサワヤカ系なのか

源平布引滝の九郎助内の段(歌舞伎では実盛物語)を観ていて不思議なのは、なぜ、斉藤実盛は、爽やかな捌き役になってしまっているのか、ということだ。平家物語の中の斉藤別当実盛は、サワヤカ系というよりはゴーカイな荒武者で、多分当時の実盛を知る人が…

NHKアーカイブス NHK特集「大看板 團十郎への道」(1985年制作)

当代團十郎丈が襲名するまでの道のり。たまたま観たのだけど、なかなか面白かった。一番面白かったのは、住大夫の出てくる稽古風景。住大夫が團十郎(当時の海老蔵)に勧進帳の弁慶の稽古をつけているシーンがあった。團十郎丈が山にこもり荒行を行う場面等…

横浜能楽堂 「源氏物語―それぞれの恋心」第4回「落葉−愛を拒む女の哀しみ」

源氏物語千年紀 横浜能楽堂企画公演「源氏物語―それぞれの恋心」 第4回「落葉−愛を拒む女の哀しみ」 平成20年12月13日(土) 14:00開演 13:00開場 「落葉」は金剛流固有の曲。亡夫・柏木の親友である夕霧の大将を恋慕しながら拒み続けた落葉の宮。案内人 …

国立劇場小劇場 社会人のための文楽鑑賞教室 Aプロ

社会人のための文楽鑑賞教室 12月5日(金)・12日(金)18時30分開演(21時終演予定)二人三番叟解説 文楽の魅力 義太夫節について 人形の遣い方菅原伝授手習鑑 寺入りの段 寺子屋の段 http://www.ntj.jac.go.jp/performance/2166.html 二人三番叟何時聴いて…

国立小劇場 12月文楽公演

源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき) 義賢館の段 矢橋の段 竹生島遊覧の段 九郎助内の段 http://www.ntj.jac.go.jp/performance/2254.html 予想以上に面白かった。パフォーマンス自体も面白かったのだが、私にとっては、源平布引滝という演目自体の魅力を…

東京国立博物館 平常展

また東博行きたい病を発症したので、行って参りました。何ゆえ、こんなに東博が好きなのかしらん。本館特別室特集陳列 装飾料紙と鑑賞料紙料紙と言われて思い浮かぶのは、金箔や銀箔で霧が描かれていたり、様々な色の紙、破り継ぎ紙、そして宗達と光悦の最強…

芸能花舞台 伝説の至芸・観世寿夫

<演目> 仕舞「海士(あま)」1973年放送 能「俊寛(しゅんかん)」1976年放送 能「井筒(いづつ)」1977年放送 ほんの一部しか放送されなかったが、すごい人だということが画面から伝わってきた。リアルタイムに見れなくて、本当に残念…と思っ…

国立能楽堂 特別企画公演 花子 三笑

◎開場25周年記念特別企画狂言 花子(はなご) 山本東次郎(大蔵流)能 三笑(さんしょう) 大槻文藏(観世流) 梅若六郎 観世銕之丞 http://www.ntj.jac.go.jp/performance/1804.html 花子甚だ遺憾ながら拝見せず。残念! 三笑何故か能楽堂には日頃に無い…

今昔物語の融大臣

国立能楽堂のパンフレットの「融」の解説に、融大臣の幽霊の話が今昔物語に載っているということが書いてあった。それで早速、今昔物語を読んでみると、なるほど、巻第二十七の第二に「川原の院の融の左大臣の霊(りょう)を、宇陀院(うだのいん)見給える…

出光美術館 陶磁の東西交流

やきものに親しむVI 陶磁の東西交流 ―景徳鎮・柿右衛門・古伊万里からデルフト・マイセン― 特集展示:南蛮風俗図 2008年11月1日(土)〜12月23日(火・祝) http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html それほど珍しい文様の磁…

国立能楽堂 定例公演 引括 融

狂言 引括(ひっくくり) 野村萬斎(和泉流) 能 融(とおる) 舞返之伝(まいがえしのでん) 木月孚行(観世流) http://www.ntj.jac.go.jp/performance/1803.html 引括「わわしい」妻をどうにか遺恨を残さず離縁しようとして様々なことを言う夫と、それに…

京都御所&仁和寺

京都御所 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%BE%A1%E6%89%80仁和寺 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%81%E5%92%8C%E5%AF%BA 京都御所今年は源氏物語千年紀で源氏物語にちなんだ特別展やお能が多い。このチャンスに源氏物語に関連する…

国立文楽劇場 文楽11月公演

◆第1部靱猿恋娘昔八丈 城木屋の段、 鈴ヶ森の段吉田清之助改め五世豊松清十郎 襲名披露 口上襲名披露狂言 本朝廿四孝 十種香の段、奥庭狐火の段◆第2部双蝶々曲輪日記 難波裏喧嘩の段、八幡里引窓の段八陣守護城 浪花入江の段、主計之介早討の段、 正清本城…

国立能楽堂 普及公演 横座 清経

解説 能楽あんない 清経の悲しみ 佐伯真一 狂言 横座(よこざ) 佐藤友彦(和泉流) 能 清経(きよつね) 高橋汎(金春流) http://www.ntj.jac.go.jp/performance/1802.html 解説 清経の悲しみ 佐伯真一平家物語を読んだ限りでは、清経は、名前が出てきたと…

横浜能楽堂 「源氏物語―それぞれの恋心」 第三回「玉葛―乱舞する蛍と恋」

能組案内人 馬場あき子 謡曲朗読 「玉葛」 加賀美 幸子 玉葛 シテ:塩津哲生、ワキ:宝生閑、アイ:高澤祐介 大鼓: 佃 良勝、小鼓: 大蔵源次郎、笛:松田弘之 後見: 中村邦生、塩津圭介 地頭: 友枝昭世 http://www.yaf.or.jp/nohgaku/ 馬場さんのお話で…

歌舞伎座 芸術祭十月大歌舞伎 夜の部

歌舞伎座百二十年 芸術祭十月大歌舞伎 一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう) 十種香 狐火二、雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち) 直侍 浄瑠璃「忍逢春雪解」三、英執着獅子(はなぶさしゅうじゃくじし) http://www.kabuki-bito.jp/thea…

府中の森芸術劇場 ふるさとホール 人形浄瑠璃

人形浄瑠璃「文楽」 〜わかりやすい解説付き〜 昼夜二回公演 2008年10月18日(土) 18:00 開演 [夜の部] 出演:太夫…豊竹嶋大夫 三味線…鶴澤清介 人形…桐竹紋寿 演目:二人三番叟(ににんさんばそう) 御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち)〜弁慶上…

国立能楽堂 定例公演 薩摩守 柏崎

狂言 薩摩守(さつまのかみ) 大藏千太郎(大蔵流) 能 柏崎(かしわざき) 武田志房(観世流) http://www.ntj.jac.go.jp/performance/1798.html 薩摩守お金を持たずに住吉詣でに行こうとする旅僧と秀句(洒落)好きな渡し守のお話。いつの時代にも、洒落好…

国立劇場 10月歌舞伎公演「大老」

平成20年度(第63回)文化庁芸術祭主催 北條秀司十三回忌追善 北條秀司=作・演出 織田紘二=演出 「大 老」(たいろう) 五幕九場 浜田右二郎=美術 第一幕 彦根城外埋木舎 第二幕 第一場 千代田城接見室 第二場 外桜田井伊家上屋敷奥庭 第三幕 第一場 外桜…

東京国立博物館 特別展 「大琳派展」

尾形光琳生誕350周年記念 特別展「大琳派展−継承と変奏−」 平成館 2008年10月7日(火)〜11月16日(日) http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=5705 「琳派展」、しかも前に「大」がつく。すっごーい!と思っていたが、観てみ…

国立能楽堂 普及公演 茶壺 鵺

解説・能楽あんない 妄執の行方 村瀬和子 狂言 茶壺(ちゃつぼ) 野村祐丞(和泉流) 能 鵺(ぬえ) 白頭(はくとう) 浅見真州(観世流) http://www.ntj.jac.go.jp/performance/1797.html 解説・能楽あんない 妄執の行方冒頭に出てくる情景描写の謡、 地謡…

築地本願寺 酒井抱一のお墓

そういえば、先日、築地本願寺に行ったのだった。 ひょんなことから、酒井抱一のお墓が築地本願寺にあるのを知って、現場検証に行ってきたのだ。 築地本願寺といえば、あの不思議な石造りの建物だ。古代インド様式とか。遠巻きにしか見たことが無かったけど…

融大臣は本当に御位につきたかったのか

昨日、「大鏡」の基経の頁、陽成天皇の譲位の善後策を検討する詮議のところを読んでいた時、どうしてもひっかかったことがあった。 光源氏のモデルになったくらいの風流を解する人、源融が、「位につかせ給はむ御心ふかくて(天皇の御位に就きたい心が深く)…

高津宮

そういえば、この夏、大阪に行った時、文楽劇場の近くにある高津宮に行ってみたのだった。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%B4%A5%E5%AE%AE 夏祭浪花鑑の長屋裏の段は、高津宵宮の夜のお話でした。それで何となく、名前に惹かれて行っては見たの…