府中の森芸術劇場 ふるさとホール 人形浄瑠璃

人形浄瑠璃文楽
〜わかりやすい解説付き〜 昼夜二回公演
2008年10月18日(土) 18:00 開演 
[夜の部]
出演:太夫…豊竹嶋大夫
    三味線…鶴澤清介
    人形…桐竹紋寿
演目:二人三番叟(ににんさんばそう)
    御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち)〜弁慶上使の段(べんけいじょうしのだん)
    傾城恋飛脚(けいせいこいびきゃく)〜新口村の段(にのくちむらのだん)

http://www.fuchu-cpf.or.jp/theater/play/20081018_detail.htm

二人三番叟

大好き。08年度「いつも私の頭の中で鳴ってる音楽」トップ3入りは確実。久々に文楽を聴くと、やっぱり文楽っていいな、と思えてくる。


御所桜堀川夜討 弁慶上使の段

玉也さんの弁慶が見れて満足。玉也さんが後ろを向いた時、ギンガムチェックの袴だったので、あれっと思ったが、要するに弁慶格子ということですね。カッコいい!他に私が観た弁慶が出てくる演目といえば、勧進帳だけど、あの時、弁慶を使っていた勘十郎さんは弁慶格子の袴をはいていたのかしらん。全然覚えていない。

勘十郎さんのおわさが最高。クドキを観ていて、八重桐廓噺、、、でなかった嫗山姥の廓噺の段を観たくなった。あの「小田巻とやら管巻とやら」とか「秘蔵の子猫を馬ほどな、鼠がくわへて駈出すやら、屋根では鼬が踊るやら」とか楽しい詞章に乗って勘十郎さんに八重桐を遣ってほしい!


傾城恋飛脚〜新口村の段

いつ、誰で聴いても名曲。封印切がつくと梅川のとばっちりぶりと忠兵衛のダメ男っぷりが目立つが、今回は新口村の段が単独で出たので、純粋に悲劇が引き立って、泣けました。嶋大夫は前半少し駆け足な気がしたけど、上演時間の都合だったのかな。

紋寿さんの梅川は、美しいだけでなくは可愛い女性。孫右衛門の目隠しを外したときに笑いが起きたけど、そのくらい、孫右衛門と忠兵衛を思って一所懸命に行動する姿がチャーミング。忠兵衛くん、こんな可愛い女性を不幸にしては、いかんよ。

孫右衛門が「オヽそふじゃ/\その道じや。ソレその藪をくぐるなら、切株で足突くな」と叫び、傘をすぼめて泣くところは、やっぱり、こちらも涙、涙になってしまう。玉志さんの孫右衛門は、無骨で素直に優しさを出せない父親という感じだった。遣う人によって印象が大きく変わって面白い。

ところで、紋寿さんの袴も何か霞か流水のような文様があったように見えて、梅川の「川」かなと思ったけど、違うかもしれない。今、文様に凝っていて、何かと深読みしてしまうのだ。