2017-01-01から1年間の記事一覧

国立劇場 文楽鑑賞教室 Bプロ

日高川入相桜 日高川の段Bプロは簑紫郎さんの清姫。簑助師匠譲りの可憐な姫です。ところが、大蛇になった後、日高川を姫に戻ったり大蛇になったりしながら泳いでいく場面では、私が観た日は、人形の持ち替えにちょっともたつくところがありました。惜しい! …

国立劇場 文楽鑑賞教室 Aプロ 日高川入相花王 新口村

日高川入相花王 渡し場の段希さん・紋臣さんの清姫と咲寿さん・紋秀さんの船頭、三味線のシンは清馗さんです。紋壽さん門下だった紋臣さん、紋秀さんはさすが、安定感があります。この物語は道成寺伝説を元にしたものですが、考えてみると、現行曲としては、…

NHK古典芸能鑑賞会 融 関寺小町

三連続の雨の週末でうんざりです。が、この週末のNHK古典芸能鑑賞会は、能楽が大槻文蔵師の舞囃子、文楽が和生さん、呂勢さん、清治師匠、藤蔵さんの関寺小町、琉球舞踊がということで、わたしの好きな方々のパフォーマンスを一度に観ることが出来る貴重な機…

国立劇場小劇場 文楽素浄瑠璃の会 袖萩祭文 碪拍子 新口村

にっぽん文楽の霧雨に続き、文楽素浄瑠璃も霧雨の中の会となりました。誰が雨男なのでしょう?にっぽん文楽と被っている演者といえば、千歳さんか富助さんか…?燕三さんがそういえば以前のトークで雨男とおっしゃていたなあ。 奥州安達原 袖萩祭文の段呂太夫…

にっぽん文楽 in 上野の杜 万才 関寺小町 増補大江山

東京では、六本木、浅草に次いで、今度は上野恩寵公園でのにっぽん文楽。今回は、天気予報では会期全部が雨予想。土日では、結局、土曜日昼の部しか開催されなかったようです。いやはや、全くオープンスペースでの開催は難しいです。後の日程で何度か開催で…

神奈川県立青少年センター 文楽地方公演 桂川連理柵 曽根崎心中

毎年恒例の神奈川県立青少年センターでの文楽地方公演。今年は心中二本立てでした。昼の部桂川連理柵六角堂の段、帯屋の段、道行朧の桂川 私は帯屋の段の前までは、割に面白いお話だと思うので、ここまでは何とか話について行けます。今回も特にチャリ場の笑…

国立劇場小劇場 文楽9月公演 第一部 生写朝顔話

宇治、明石などの源氏物語のキーワードがちりばめられ、古典や歌、扇、楽器が出てくる優しい物語であるだけでなく、浜松小屋の段のように、落ちぶれてしまって泣きはらして盲目になって仕舞った深雪ちゃんの艱難辛苦の極みと浅香の死というような悲劇があり…

国立小劇場 9月文楽公演 第二部 玉藻前曦袂

とにかく期待以上の面白さでした!『玉藻前曦袂』は、勘十郎さんに演じてもらうために作られたのではないかと思うほどの演目でした。勘十郎さんの狐好き、文楽随一のケレンの担い手、どんな人物でも動物でもその特徴を巧みに捉えて遣えてしまう万能さなどが…

杉本文楽再考

杉本文楽の第一弾、『曽根崎心中』は、今から思うと衝撃的だった。 暗転した舞台に、おもむろにスピーカーから読経が流れたかと思うと、清治師匠の独奏が始まったり(ファンだからいいけど)、早口すぎて聴き取りに難儀する超高速道行「観音廻り」や、エルメ…

世田谷パブリックシアター 杉本文楽 女殺油地獄

杉本文楽第二弾は、『女殺油地獄』でした。初日に拝見しました。 冒頭は近松門左衛門の人形が出てきて、口上を言い立てます。この口上の声の主は杉本博司さんのようです。一瞬、三谷文楽の『其礼成心中』を観ているような錯覚を覚えましたが、三谷文楽のパク…

国立文楽劇場 夏休み文楽特別公演 第三部 夏祭浪花鑑 住吉鳥居前の段、釣船三婦内の段、長町裏の段

第三部 夏祭浪花鑑 住吉鳥居前の段、釣船三婦内の段、長町裏の段夏といえば、『夏祭浪花鑑』。大阪の夏らしい演目で、好きです。 『夏祭浪花鑑』の一番の見どころはもちろん、「長町裏の段」。この段の団七と義平次の配役如何で満足度が大きく左右されてしま…

国立文楽劇場 夏休み文楽特別公演 第二部 源平布引滝 義賢館の段 矢橋の段 竹生島遊覧 九郎助住家の段

源平布引滝義賢館の段義賢館は初めて観ました。非常に面白かったし、見応えもありました。是非、義賢館から九郎助住家の後の段も含めて、続けて観てみたいです。 この段では、小まんの夫で太郎吉の父である多田蔵人行綱のことや、源氏の白旗のこと、九郎助が…

国立文楽劇場 夏休み文楽特別公演 第一部 金太郎の大ぐも退治 赤い陣羽織

今年もよい子の皆様に紛れて、親子劇場を拝見しました。 金太郎大ぐも退治以前、観たときは、幸助さんの金太郎、玉佳さんの大ぐも実は鬼童丸でしたが、今年は玉佳さんが金太郎で玉勢さんが鬼童丸。玉男一門の皆さんならではのカッコさです。その中でも一番、…

国立文楽劇場 源太夫を偲ぶ会

大阪まで行った甲斐のある、充実した会でした。 源太夫師匠もきっと天国で満足されたのではと思います。 対談 九世 竹本源太夫を偲んで 鶴澤藤蔵 亀岡典子古典芸能ファンにはお馴染みの産経新聞の亀岡典子さんの進行。藤蔵さんの解説で、源太夫師匠の昔の写…

文楽劇場 文楽鑑賞教室

都合によりA班とB班を拝見しました。内容は「二人禿」と三業解説、『仮名手本忠臣蔵』の「下馬先進物の段」から「城明け渡しの段」までのダイジェスト。 大阪の鑑賞教室の面白いところは、二つの班を同日に見比べることが出来るところ。同日なら記憶も新鮮な…

赤坂区民センター 赤坂文楽#17 〜伝統を受け継ぐ 其の八〜

2月公演後の赤坂文楽は勘十郎さんのトークショー&『本朝廿四孝』「奥庭狐火の段」でしたが、今回は玉男さんのトークショー&『義経千本桜』二段目より幽霊知盛と錨知盛です。 トークは高木秀樹さんが進行役。「伝統を受け継ぐというテーマですので…」とのこ…

国立劇場 5月文楽公演再見

今週末、一部と二部を再見して来ました。第一部再度拝見して、松王丸の詞で、今まで真意がよく分からなかったものが少し分かった気がした。 寺子屋の段で、松王丸が、小太郎が菅秀才の身代わりと知り、につこりと笑ったことを親に代わって恩送りをしたと褒め…

草加市文化会館 淡路人形座公演

淡路人形座は一度は観てみたいとずっと思っていたのですが、いかんせん東京からは遠く、そんなに長くお休みをとれない勤め人の身では、なかなか観ることが叶いませんでした。というわけで、今回は淡路人形座が草加に来るというので草加まで観に行きました。…

国立劇場 文楽5月公演 第二部

加賀見山旧錦絵筑摩川の段、又助住家の段筑摩川の段は御簾内でした。冒頭、謡掛かりで始まるのが意外でした。なぜ謡掛かりで始まるのかは、この場面からはちょっと分からず。また、同じ詞章の謡曲は私は思いつかないけど、何か出典あるのでしょうか。 又助住…

国立劇場 文楽5月公演 第一部

今回は新呂太夫の襲名公演でした。4月の大阪の文楽劇場にも行ったので、私にとっては二回目の拝見となりました。 第一部柱立寿万歳 ふと床を見れば、清馗さんがシンでびっくり。本公演で景事のシンを勤められているのは初めてではないでしょうか。去年、若手…

国立文楽劇場 4月文楽公演

※第1部の感想は5月公演の分にあわせて書いています。祖父は山へ芝刈りに 祖母は川へ洗濯に 楠昔噺 きぬた拍子の段 徳太夫住家の段 冒頭は角書き通りの、昔話の『桃太郎』を彷彿とさせる、ほのぼのとした始まりです。 おばあさんが川で洗濯しようとして足を…

赤坂区民ホール 赤坂文楽

千穐楽翌日の赤坂文楽。昨年までは2月の赤坂文楽は勘十郎さんと玉男さんのコンビでしたが、玉男さんはのお出ましはなしでした。 第一部第一部は勘十郎さんのお話。行く前は、勘十郎さんお一人でお話ではそんなに長くはお話しにならないだろうし、奥庭狐火の…

国立劇場小劇場 2月文楽公演 第2部

「曽根崎心中」はもう、いろんな床・人形のバージョンで脳内再生できるし、なんなら杉本文楽とか、ロック曽根崎心中とか、後日談(?)の其礼成心中だって脳内再生できるし!と思っていましたが、何だかんだ言っても、いざ実際に観てみると、何度聴いても心…

国立能楽堂 2月企画公演 蝋燭の灯りによる 謡講 八島

おはなし 庶民のたのしみー謡講ー 謡講は今回で3回目とか。いつもどんなものか観てみたいと思っていたが、そもそもチケット発売日にチケットを買えなかったりして、今まで観たことがなかった。実は今回も買えなかったが未練がましくチケットが戻っていないか…

国立能楽堂 2月普及公演 呂蓮 葵上

月間特集が「近代絵画と能」というもので、この日は植村松園の「焔(ほのお)」と金剛流の「葵上」の組み合わせ。国文学研究資料館教授の小林健二先生の解説。 小林先生が紹介した松園の「焔」制作エピソードが興味深かった。松園はそのエッセイ『青眉抄』の…

国立劇場 2月文楽公演 第1部

昨年12月の忠臣蔵に引き続き、50周年記念公演と銘打たれた公演で、近松特集です。改めて近松の大きさを感じました。平家女護島 六波羅の段、鬼界が島の段、船路の道行より敷名の浦の段2月公演の演目のうち、私の中で物語として一番面白かったのは、『平家女…

国立劇場 2月文楽公演 第3部

冥途の飛脚 淡路町の段、封印切の段、道行相合かご「淡路町の段」は近松の狂言の中でも特に大好きな段です。当時の大坂の飛脚屋の活気にあふれる情景や、当時の若い旦那衆の友情や日常がいきいきと活写されているから。口は松香さんのはずだったけれど休演で…

紀尾井小ホール 紀尾井江戸邦楽の風景 奥女中

紀尾井ホールの「江戸 邦楽の風景」第十五回。渡辺保先生のお話は聞けず残念。文楽からは『加賀見山旧錦絵』より「鶴が岡草履打の段」。以前、紀尾井ホールの「女流義太夫の新たな世界」という企画公演で、女義の駒之助師匠と文雀師匠のお初、和生さんの尾上…