2015-01-01から1年間の記事一覧

国立劇場小劇場 12月文楽公演

奥州安達原(おうしゅうあだちがはら) 朱雀堤の段、環の宮明御殿の段今まで環の宮明御殿の段を観ても、道具立てが複雑すぎてその場面の情報だけでは意味不明な部分も多々あり、「イマイチ話がわからないけど、まあ感動するからいっか」と思っていました。が、…

国立劇場小劇場 12月鑑賞教室 Aプロ

二人禿(ににんかむろ)なんか、しょっちゅうニ人禿をやってる気がするけど、私はニ人禿が大好きなので無問題。今回は紋秀さんと紋吉さんのかわいい禿ちゃんたちでした。解説 文楽の魅力もはや、清丈さんの解説三味線芸『清丈メール恋物語』(勝手に外題を命…

世田谷パブリックシアター 三茶三味

杉本文楽を企画した杉本博司さんと清治師匠がタグを組んで、三茶で(太棹)三味線を楽しもうという企画。第一部は、野川美穂子先生司会で、杉本博司さん、美術ライター・編集者の橋本麻里さんのトーク、第二部は三本の三味線による「三味線組曲」、第三部は…

神奈川県立青少年センター 文楽地方公演

【昼の部】団子売のっけから清治師匠、呂勢さんがシンの超豪華な団子売。たとえて言うなら、名店の菓子職人が、素朴なお団子をテーマに一流の技を惜しみなく発揮して作った小さな上生菓子、という雰囲気。曲の構成は、最初はおめでたく、その後、ゆったりと…

国立劇場小劇場 文楽九月公演第二部(その1)

一番興味深かったのは、和生さんの橘姫と勘十郎さんの身分の違い。和生さんの橘姫は位取りが高く、今回四段目はなかったけれども、明らかに雛鳥よりも位が高く、気品ある姫だった。橘姫は、一見、お三輪ちゃんから求馬を横取りするように見えるけれど、姫戻…

国立劇場小劇場 文楽九月公演第一部

面売りおしゃべり案山子(玉佳さん)と面売り(勘彌さん)の二人の踊り。活躍するのは面売りで、娘の面売りが様々な面を付けて面にあわせた踊りを踊る。曲が変化に飛んでいて面白い。文楽の音楽といえば短調で、明るい雰囲気のものでも郷愁や切なさをスパイ…

文楽劇場 夏休み文楽特別公演 第2部

第2部 【名作劇場】 午後2時開演 生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし) 宇治川蛍狩の段/真葛が原茶店の段/岡崎隠れ家の段/ 明石浦船別れの段/薬売りの段/浜松小屋の段 http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/bunraku/2015/4319.html 本公演が始まる…

源大夫師匠

源大夫師匠がお亡くなりになったそうで、ショックです。私は初めて観た文楽は2007年2月東京公演第二部の合邦で、その「合邦庵室の段」は当時の綱師匠と清二郎さん、住師匠と錦糸さんのリレーでした。さらに人形は玉手御前が文雀師匠で合邦が文吾さんという超…

国立能楽堂 7月普及公演

<月間特集・江戸時代と能> 解説・能楽あんない 動いている江戸期の能楽 松岡 心平(東京大学教授) 狂言 簸屑(ひくず) 三宅 右近(和泉流) 能 大瓶猩々(たいへいしょうじょう) 井上 裕久(観世流) http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/nou/2015/7150.…

国立劇場小劇場 6月文楽若手会 東京公演

文楽既成者研修発表会 第3回 文楽若手会 五條橋 (ごじょうばし) 一谷嫰軍記(いちのたにふたばぐんき) 熊谷桜の段、熊谷陣屋の段 新版歌祭文(しんぱんうたざいもん) 野崎村の段 http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2015/6142.html?lan=j 5…

国立文楽劇場 6月文楽鑑賞教室

第32回 文楽鑑賞教室 牛若丸/弁慶 五条橋 (うしわかまる/べんけい ごじょうばし) 解説 文楽へようこそ 曽根崎心中 (そねざきしんじゅう) 生玉社前の段、天満屋の段、天神森の段 都合によりC班、D班を拝見しました。五条橋清五郎さんの牛若丸が、貴公子…

国立劇場 文楽5月公演第一部(その2)

平成27年5月文楽公演11時開演 五條橋(ごじょうばし) 新版歌祭文(しんばんうたざいもん) 野崎村の段 吉田玉女改め 二代目吉田玉男襲名披露 口上 襲名披露狂言 一谷嫰軍記(いちのたにふたばぐんき) 熊谷桜の段、熊谷陣屋の段 http://www.ntj.jac.go.jp/s…

国立劇場小劇場 文楽5月公演第一部(その1)

平成27年5月文楽公演 11時開演 五條橋(ごじょうばし) 新版歌祭文(しんばんうたざいもん) 野崎村の段 吉田玉女改め 二代目吉田玉男襲名披露 口上 襲名披露狂言 一谷嫰軍記(いちのたにふたばぐんき) 熊谷桜の段、熊谷陣屋の段 http://www.ntj.jac.go.jp/…

国立劇場小劇場 5月文楽公演 第二部

4時開演 祇園祭礼信仰記(ぎおんさいれいしんこうき) 金閣寺の段、爪先鼠の段 桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ) 六角堂の段、帯屋の段、道行朧の桂川 http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2015/5141.html 舞台を東京に移した二代目玉男…

根津美術館 燕子花図と紅白梅(その1)

尾形光琳300年忌記念特別展 燕子花と紅白梅 光琳デザインの秘密2015年4月18日(土)〜5月17日(日) http://www.nezu-muse.or.jp/ ここのところ寝ても覚めても仕事仕事の日々が続いたせいか、朝、目が覚めた時、「どうしても何か美しいものを観て心の底から陶…

国立文楽劇場 4月文楽公演 第2部(その1)

第2部 午後4時開演 絵本太功記(えほんたいこうき)夕顔棚の段/尼ヶ崎の段 天網島時雨炬燵(てんのあみじましぐれのこたつ)紙屋内の段 伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)火の見櫓の段 ※16日(木)より第1部と第2部の演目を入替 http://www.ntj.…

国立能楽堂 4月普及公演 長光 忠度

国立能楽堂 4月普及公演 解説・能楽あんない 名乗らぬ忠度 天野 文雄(京都造形芸術大学教授) 狂言 長光(ながみつ) 井上 松次郎(和泉流) 能 忠度(ただのり) 高橋 忍(金春流) http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/nou/2015/4133.html?lan=j 桜のお能…

六本木ヒルズ にっぽん文楽in六本木

六本木ヒルズ・ヒルズアリーナ 2015年3月19日〜22日 12:00〜13:30、18:30〜20:00 『二人三番叟』、『日高川入相花王』「渡し場の段」 http://www.nipponbunraku.com/event/index.html 野外に設営する移動式「檜舞台」で、飲食…

保谷道行

千本道行で気分が高揚したせいで、会場でそのままじっと夜の部を待つ気にもなれず、会場近辺をふらふらと散策しました。というのも会場に来る時に、いくつか気になっていた梅の木があって、それを近くまで行って見てみたかったので。来る時には気が付かなか…

保谷こもれびホール 文楽地方公演 昼の部

解説(あらすじを中心に) 曽根崎心中 生玉社前の段、天満屋の段、天神森の段 義経千本桜 道行初音旅 秋の地方公演とで配役を変えての公演。本公演に負けない充実した公演でした。曽根崎心中和生さんの徳兵衛は初めて観ると思う。なので、これが今回、一番観…

国立劇場小劇場 文楽2月公演 第一部

2月文楽公演 11時開演 二人禿(ににんかむろ) 源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき) 矢橋の段 竹生島遊覧の段 九郎助内の段 http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2014/21012.html 二人禿大好きな曲。紋臣さんと簑紫郎さんの、相変わらず可愛い…

国立劇場小劇場 2月文楽公演 第三部

国立劇場小劇場 2月文楽公演 第三部 6時開演 国性爺合戦(こくせんやかっせん) 千里が竹虎狩りの段、楼門の段、甘輝館の段、紅流しより獅子が城の段 http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2014/21012.html その昔、竹本義太夫や近松門左衛門が活…

文楽劇場 文楽新春公演 第一部(その1)

2015年の文楽の見初めは成人の日の新春公演にしました。 どれもすてきでしたが、「関寺小町」と「封印切」に特に胸を打たれた文楽公演でした。 花競四季寿四季をそれぞれの季節の曲にのせて表現する景事で、私は大好きな曲。春のお目出度い雰囲気を味わえる…

物語の多くさぶらふなる、あるかぎり見せ給へ

明けましておめでとうございます。このメモのタイトルの言葉は更級日記の冒頭の段に出てくるものです。更級日記の作者である菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)は、子供の頃、姉たちの噂する源氏物語などの物語にいたく心を惹かれていました。しかし…