歌舞伎座 團菊祭五月大歌舞伎 夜の部

一、通し狂言 
  青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)
  白浪五人男

  序 幕 初瀬寺花見の場
      神輿ヶ嶽の場
      稲瀬川谷間の場
  二幕目 雪の下浜松屋の場
      同 蔵前の場
      稲瀬川勢揃の場
  大 詰 極楽寺屋根立腹の場
      同 山門の場
      滑川土橋の場
作: 河竹黙阿弥 初演: 1862年文久2年)市村座

二、三升猿曲舞(しかくばしらさるのくせまい)

http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2008/05/post_25.html

白波五人男

まさに団菊祭に相応しい演目。全段で桜は満開だし、菊五郎丈の気風の良い江戸っ子の風情、黙阿弥の七五調の素敵な言い回しを満喫できる。日本駄右衛門の團十郎丈、南郷力丸の左團次丈、赤星十三郎の時蔵丈、忠信利平の三津五郎丈も、はまっていて、五人の花道、本舞台でのツラネは圧巻。黙阿弥の台詞の調子と流麗さと、客席からの大向こうと満場の拍手の嵐に酔いながら、歌舞伎っていいなーと思ってしまった。


三升猿曲舞

此下兵吉が、お能があると聞きつけ猿沢池まで観に来たところ、仲間の奴たちに、そんなに好きなら踊ってみよと言われ、踊ってみせる、という舞踊。なぜか、お能ではなく、日本舞踊を踊るのだが、歌舞伎だからいいのである。
これ、去年の9月の特別舞踊公演で見ているはずなのだが、その時の大向こうがすごかったこと以外、全然、思い出せなかった。


今回の団菊際の衝撃2つ。

  1. 先月のイヤホンガイドで、團十郎が団菊際を宣伝するのに「だんぎくさい」と言っていた。「だんきくさい」だと思っていた私は、その発音を聞いて、えらくショックを受けた。「きく」が濁音化してしまうのは、ちょっと悲しい。
  2. 弁天小僧でも、三升猿曲舞でも、長唄の歌詞に「ありゃんりゃりゃん、こりゃんりゃりゃん」というフレーズがあった気がする。江戸時代か明治時代に流行ったんだろうか。頭でリフレインさせ続けたくなるフレーズだ。