国立劇場 小劇場 5月文楽公演

<第二部>16時開演

ひらかな盛衰記
    梶原館の段
    先陣問答の段
    源太勘当の段
    辻法印の段
    神崎揚屋の段
    奥座敷の段
http://www.ntj.jac.go.jp/performance/2569.html

延寿(玉也さん)サイコー。最後に、おいしいところ、ぜーんぶ持ってっちゃいました。

まあ、つっこみどころが無いわけでもない。例えば、延寿に対して、「そこまで気が付くなら、最初っから具足入れに当座の資金を入れといてやったらどうなのさ」と言いたい気もする。が、しかし!そんなことしたら、梶原館の段より後、奥座敷の段までの展開が全部なくなってしまって、立作者の文耕堂が困る。ひょっとすると、延寿はそのことに気が付いていて、お金を入れなかったのかも。何と、戯作者にまでも気配りのきく、恐ろしい婆なのでした。


もちろん、面白いのはそこだけではなくて、梶原館の段の和生さんの源太の仕方噺とか、文司さんの平次、それから、辻法印の段の勘緑さんの法印、神崎揚屋の勘十郎さんの梅ヶ枝と見どころ沢山。それから、床の方も大満足でした。

ただ、神崎揚屋の段の梅ヶ枝に関しては私自身は設定に共感できる部分が無くて、見どころ、聞きどころが多いにもかかわらず、ちょっと消化不良。奥座敷が無ければ、そのまま、もやもやの気分で帰るところでした。かえすがえすも延寿のお陰。ああ、文楽の婆っていいなー。