東京国立博物館 平常展

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大徳川展で人の波に疲れたので平常展へ。本館第8室のあたりの好みの絵の前にあるふかふかのソファに身を沈めて気が済むまで作品を眺めるのが大好きだ。または庭園に面した廊下にあるソファもいい。これでカプチーノが飲めればもう最高なのだけど!

<平成館>
先史の時代には興味薄なので、「考古展示室」に立ち寄ったことはなかったのだが、何となく入ってみたらこれが面白かった。ざっと見ただけだが、特に印象に残ったのは、「56億7000万年のタイムカプセル 経塚に納められたもの」というコーナーだ。経塚というものの存在についてさえ、よく知らなかったのだが、経典を経塚に奉納するということが行われており紀元1000年頃のものが最古であるという(Wikipediaの説明はこちら)。これは紙の経典ではなく、瓦に文字が書いてあるものもあるが、全く文字の書いていない単なる貝殻やら石ころだったりするのだ。貝殻やら石ころやらを経典とした(みなした)なんてことがあるなんて、知らなかった。鰯の頭も信心からではないが、文字の読めない人々が、写経する代わりに納めたりしたのだろうか。

<本館>
第8室の「草花写生図巻 秋」(狩野探幽筆)が興味深い。日々スケッチした草木を絵巻に貼り付けたものなのだが、探幽は無くなるまで日々、スケッチをしていたという。探幽のような巨匠だからこそ日々の鍛錬を欠かさなかったのだと感心してしまった。翻ってわが身を考えれば。。その他の絵画は秋・冬を題材としていて、美術館にいながら秋を満喫することが出来る。

本館特別2室 「特集陳列 寛永の三筆とその書流」も素晴らしい。書も素晴らしいのだけれど、保存状態も素晴らしい。1600年代のものが、去年作りましたと言われれば信じてしまうほど良い保存状態で置かれている。

<東洋館>
第8室の「特集陳列 中国書画精華」が圧巻。国宝、重文で揃えたラインナップ。これを見ずして帰るのは、もったいなさすぎる。
第19室の「特集陳列 高麗翡色青磁の誕生」も素晴らしい。ちょうど日本橋三井記念美術館で安宅コレクションをやっていることでもあるし、両方見比べるのも楽しい。