東京国立博物館 平常展

東洋館第8室 特集陳列 梅花
中国でも当然ながら文人に梅が好まれていたが、日本の梅に対するイメージと中国の梅に対するイメージは少し異なる。中国の梅の絵は、だいたい、花がこれでもかといいたげについている。
面白かったのは、月と梅の意匠。ここにもあったし、本館の第三室(禅と水墨画 ―鎌倉〜室町 )にも柴庵筆の梅月図、更に 13室(陶磁)の仁清の色絵月梅図茶壺などがあったが、ルーツは中国らしい。禅僧の花光仲仁(かこうちゅうじん)は月夜に窓に映る梅影をみて墨梅をはじめたという。

もうひとつ、中国では、梅と水仙というモチーフがあるようなのだが、日本ではこの組み合わせはあまり見られない。構図のバランスが難しいからだろうか?


本館9室 能と歌舞伎  特集陳列 能「箙」の面?装束
本館特集陳列 館蔵能面名品撰でも能面がたくさん展示されていてなかなか面白かったのだが、こちらも興味深かった。特に、角帽子 藍地鉄線模様は、ワキ方の僧が被っている角帽子に鉄線(クレマチス)の刺繍があるものだ。今は、このような刺繍は施されないらしい。この刺繍が素晴らしく、この日博物館に展示されていたどの衣装の刺繍よりもよかった。それだけ贅を尽くしたものだということなのだろう。