東京国立博物館 平常展

http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=D01&processId=00&initdate=2009/05/01&dispdate=2009/06/21


ここのところ、東博には行ってはいたのだが、メモを書かず。いかんいかん。ちゃんとメモを残さないとタダでさえ、物覚えが悪いのに思い出すよすががなくなってしまう。


第三室 仏教の美術 ―平安〜室町


摩尼宝珠曼荼羅図(鎌倉時代、14世紀)

龍が二頭居て、その先に「摩尼宝珠」が月見団子よろしく三つセットされて伽藍のようなところに安置されている。摩尼宝珠と龍珠はどうちがうのだろう。


稚児文殊像(鎌倉南北朝時代、14世紀)

文殊菩薩が子供で、獅子の頭をなでなでするの図。何故、文殊菩薩が子供かというと、春日大社の若宮の本地仏文殊菩薩だからなのだそう。つまりこれは、春日大社信仰の図なのだ。ああ複雑、春日大社武甕槌命経津主命天児屋根命比売神を祀っているけれども、若宮の本地仏文殊菩薩で、更に本宮は御蓋山、春日龍神がいて、鹿は神使という。しかも日本人ならだいたい修学旅行とか観光旅行で訪問しては拝んでるけど、実際は、藤原氏氏神ですから。もう、頭がついていきません。


3室 宮廷の美術 ―平安〜室町

綱絵巻(室町時代、16世紀)

渡辺綱羅生門で鬼を退治し、鬼の腕を切ったというお話。Wikipediaによれば、渡辺綱は先祖の源融と同様、美男子だったという。この絵巻の中の渡辺綱渡辺篤史に似ている。渡辺という苗字に引きずられてそう思っているだけかもしれないけど。しかし、そう思ってみてしまうと、どこかの屋敷で状況報告中の渡辺綱がいきなり、「ちょっといいですか」とかいって、床に寝そべって「あーいーねー、木の家は」とか言ってる絵がありそうで、こわい。


7室 屏風と襖絵 ―安土桃山・江戸


雨宿り図屏風(英一蝶筆、江戸時代、18世紀 )

急に雨が降ってきたのか、お寺か大名屋敷の門か分からないけど、そこに道行く人々が駆け込んで、雨宿りをしている。親子連れやら、お坊さんやら、旅人やら、職人やら。傀儡子と思われる二人連れもいる。一人は、杖の先に30cm四方ぐらいに見える箱を持ち、その中に指人形ぐらいの小さな人形を置いている。ちなみに他の登場人物なのか、首から他の人形がいくつも入った袋を掲げている。一緒に雨宿りをしている仲間は、千歳万歳風のコスチューム。杖の頭には長めのボンボンのようなものが付いている。英一蝶の人々を見る目が優しいのだった。

ところで、英一蝶というと、結構ユーモアのある絵があったりして、幇間をやっていた、などという話もあるし、面白い感じの人なんじゃないかと思っていたが、別の部屋にある「英一蝶像」(二代高嵩谷筆、江戸時代、19世紀)を見ると、結構まじめそうなおじさんだった。


歌舞伎図屏風(重文、菱川師宣筆、江戸時代、17世紀)

中村座の歌舞伎公演の様子が、細かく描かれている。

まず、入り口には、櫓は当たり前として、切符を売っているのか、白い札を持って何か叫んでいる人たちがいる。さらに、かかっている外題は、「浦島太郎」、「翁えびす万歳」、「武家の○○」等々、知らない演目ばっかり。

中では、素襖を着て鬘桶に座っている男性のところに、色んな人たちが次々と躍り出てくる、という様子を描いているけど、そういう演目は観た事が無い。残念。ちなみに舞台機構は能舞台そのまま。下座音楽は、舞台の奥にじゅうたんを敷いてやっている。下座音楽の後に扇で顔を隠しながら観ているひとがいるが、これは観客?さらに、橋掛の奥でも観ている女性二人がいる。今の能楽堂でいえば、正面席、中正面、脇正面には、地べたに座り込んで歌舞伎を観る人々。それから、脇正の後辺りに桟敷がある。

さらに、楽屋風景もあるが、ぐちゃぐちゃで、誰が役者で誰がそうでないのか、誰が男性で誰が女性なのか、イマイチ分からないところがある。