東京国立博物館 平常展 蓮下絵和歌巻断簡

先週末、東博に寄ったら蓮下絵和歌巻断簡(本阿弥光悦筆、安土桃山時代、17世紀)が展示されていた。とてもうれしいサプライズ。

これは、光悦&宗達のコラボレーションによる蓮の下絵の和歌巻の断簡。二人の和歌巻の四本のうち、もっとも時代が下るといわれるもの。宗達による銀泥で描かれた蓮の花は酸化してしまい、銀というよりは墨染という感じになっている。それが図らずもより光悦の書いた慈円の歌、「おほけなく浮世の民のにおほふかな我立杣の墨染の袖」(千載集)によりマッチしている。


ほかにも同時代の烏丸光広の「詠草(むさしのゝ月)」(江戸時代、17世紀)細川幽斎の「詠草」(安土桃山時代天正18年(1590))がちょうど並んでいて、今、これらの人々に興味がある私としてはとてもうれしい。10月4日の展示替までに時間がとれればまた見たい。