Time will fly to ... where?

まだ今年観たものの備忘録を書き終えていないのに、とうとう大晦日で時間切れ。ああ、Time flies!年明けの時間のある時にでも、一つか二つ、記事を書き足すことにしよう。


今年も、色々な芸能や美術等を観ることが出来て、本当に楽しかった。感動したものも、それほど面白くなかったものも、それぞれ大変に勉強になった。そして、ここにメモを書き残すことも、とても楽しい作業だった。言葉にして初めて分かることや、書いてみてから、「本当にそうだろうか」と疑問が沸いてきて、色々考えたり調べたりしたこともあった。

そういう意味で、特に美術等、観たのにここに書ききれなかったものもあり、記憶の彼方に消えていってしまいそうで、それが悲しい。


ここには読書記録は書いていないけど、今年も亀の歩みながら古典も少しずつ読んでいった。
古典やその解説書を読んですごく面白いなと思ったのは、ほとんどの和歌というのは、その場の興にまかせて読んだというよりは、かつて詠まれた古歌を踏まえて作られているということだ。だから、謡曲浄瑠璃の詞章、古典文学に和歌や歌の一部、歌語(歌で使われている言葉)が引かれている場合、一つの歌や詞に見えても、その歌の背後に沢山の古歌が作った小宇宙があったりする。
そして、日本美術も、そのような重層的なイメージを持つ古典文学の影響を多大に受けていて、古典のコンテクスト無くして観ては、その意味するものや価値のほんの一部しか分からないようになっている。
そういうわけで、少しずつ古典文学を読んでいくと、芋蔓式に様々なことに思い至り、それが楽しいので、今後も読み進めていくだろう。


というわけで、今年一年、私が触れた様々な芸能や美術の関係者の皆様、楽しい企画をありがとうございました。そして、もしここに書いているささやかな事を時たま読んで下さる方がいらっしゃるとすれば、このような拙い記事にお付き合い頂きましてありがとうございました。文章が下手で読みにくいこと、誤字脱字がはなはだしいこと、勘違いをして書いている箇所があること等、大変申し訳なく思っております。時間の許すかぎり、改善できることはしていこうと思います。ああ、来年はどんな年になるのだろう。どんな年であれ、私も「鉢木」の常世を見習って、古典の力を借りながら、ちゃんと志を持って生きていくことにしよう。


それでは、最後になりましたが、皆様にとりまして、来る年が良い年になりますよう、お祈り申し上げます。