国立能楽堂 東京若手能

能  半 蔀(はじとみ) 坂井 音雅(観世流
狂言 水 汲(みずくみ) 高野 和憲(和泉流
能  舎 利(しゃり)   本田 芳樹(金春流
http://www.ntj.jac.go.jp/performance/2516.html

半蔀(はじとみ) 坂井 音雅(観世流

立ち姿がとてもキレイでうっとり。謡もはっきり聞こえた。うーむ、今までおシテは面をしているから声がくぐもって聞こえるのだと思っていたが、実は若手と呼ばれる年代の方々だと面をしていても全然よゆーで聞き取れるのでした。

先日、宝生流で半蔀を見たとき、「惟光を招きよせ。あの花折れと宣へば。白き扇のつまいたうこがしたりしに。此花を折りて参らする」のところで、惟光が夕顔の花を載せた扇を受け取る所作をするのに、瓢箪がぶら下がっている半蔀から直接扇に取ろうとするように見えたので不思議に思ったが、今回の坂井音雅師は、大小前で一度後ろを向き振り返ると扇を差し出していて、この所作は違和感はなかった。


水汲(みずくみ) 高野 和憲(和泉流

以前見た大蔵流の「御茶の水」に限りなく近い内容。しかし、住持などは出てこないのと、狂言小歌が多いのが違うところでしょうか。やっぱり小歌が多いと面白い。


舎利(しゃり)   本田 芳樹(金春流

泉湧寺の仏舎利を足疾鬼がとってしまい、それを後場に現れた韋駄天が奪い返すというお話。足疾鬼が箱を蹴倒したり、韋駄天が鬼を所狭しと追い回す様子は何だかその後のウルトラマン等のヒーロー物の原型(?)を見た気分。