歌舞伎座千穐楽


会社帰り、ふと興行中の現歌舞伎座というのは今日が最後だということを思い出し、正面玄関だけでも見てこようと行ってきました。

最近は、あまり歌舞伎座に足が向かない悪い観客で、最後に観たのは、三月の夜の部、仁左衛門丈の「道明寺」、富十郎丈と鷹之資くんの「石橋」でした。仁左衛門丈の菅丞相が素晴らしかった。最後、涙と共に花道を去る菅丞相と共に、私も滂沱の涙を流しました。

思えば、古典芸能にはまるきっかけは、友達に歌舞伎に誘われ、「興味はないけど、まあ一生に一度ぐらい見ておこう」と歌舞伎座に足を踏み入れたところから始まったのでした。その後、感動で口がきけずに銀座をそぞろ歩いた日も、スカの狂言立てに友達と「何なの一体?!」とぶーぶー文句を言った日も、歌舞伎座はいつも歌舞伎座でした。

隅研吾さんに松竹さん、新しい歌舞伎座も相当長いことお世話になる予定ですので、どうぞ、良い箱を作っておくんなさいましな。