三井記念美術館 特別展 江戸を開いた天下人 徳川家康の遺愛品

特別展 江戸を開いた天下人 徳川家康の遺愛品
会期:2010年4月14日(水)〜6月20日(日)
1章 「江戸を開いた天下人 徳川家康とその一生」【展示室4】
2章 「家康所蔵の茶道具 名物道具と手沢品」【展示室1〜2】
3章 「交易と究理へのまなざし」【展示室5】
4章 「家康の書画と公文書」【展示室6】
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html

2007年秋に東博で「大徳川展」があった時はそれはそれは混んでいて、劇場及び能楽堂以外の人ごみが苦手な私は大変往生した訳ですが、三井記念美術館徳川家康展は、東博の平常展並に落ち着いて観られます(何故みんな東博の平常展の目のくらむようなお宝の数々を見ないのか不思議でしょうがないけど)。あの「大徳川展」でよく展示を見れなかった人は是非、三井記念美術館に来たらいいと思います。

で、一番印象的だったのは、「東照社縁起絵巻(仮名本)」(重文、狩野探幽筆、寛永17年(1640年)、日光東照宮所蔵)。当然絵巻には徳川家康の生い立ちが描かれているのだが、筆頭の詞書は、後水尾上皇なのだ。

後水尾上皇といえば、その在世中の1615年に「禁中並公家諸法度」が公布されたり、1627年に天皇が退位を決意した「紫衣事件」(天皇が高位の僧侶に紫衣の着用を認めることを禁じ、沢庵等がそれに反対して流刑となった事件)があったが、結局後水尾上皇院政をしき、また歴代天皇の中で最高齢まで生きたということもあり、幕府と後水尾天皇は永く複雑な関係にあった。が、後水尾天皇はそもそも徳川家康が皇太子として擁立した人なのだった。結局、後水尾上皇は幕府に対しては対立関係が続いたが、このように「東証社縁起絵巻」の詞書を書くということは、徳川家康という個人に対しては、好意的な気持ちを持ち続けていたということなのだろう。また、後水尾天皇宸翰神号「東照大権現(17世紀〜18世紀、久能山東照宮所蔵)というのもあり、後水尾天皇が古き良き時代をどれほど懐かしく思っていたことか、こんなものからも分かるような気がした。

ほかにも、徳川家康の健康グッズとか、面白いのが色々とあります。