国立能楽堂 狂言の会  福の神 止動方角 政頼

狂言の会  福の神 止動方角 政頼
公演期間 2010年11月26日(金)
開演時間 午後6時30分(午後8時45分終演予定)

狂言 福の神(ふくのかみ) 善竹十郎(大蔵流
狂言 止動方角(しどうほうがく) 野村萬和泉流
狂言 政頼(せいらい) 山本東次郎大蔵流
http://www.ntj.jac.go.jp/performance/3241.html

狂言 福の神(ふくのかみ) 善竹十郎(大蔵流

途中、豆まきをするが、もともとは晦日に宮中で行われた追儺の儀式が室町中頃に廃れ、豆まきとなったとか。それに、豆まきで鬼はよく出てくるけれども、福の神はあまり出てこない。そう考えると、なかなか縁起の良いお話なのでした。


狂言 止動方角(しどうほうがく) 野村萬和泉流

万蔵師の演じる主人があまりに底意地の悪い人なので、危うく万蔵師のファンをやめようかと思うところだった。今までのほのぼのとしたお役などを思い出してなんとか思い留まったけど。先日観た同じ和泉流の小三郎師は、割と類型化、caricatureした人間像を作られるけれども、万蔵師はどうも徹底的にリアルに演じるらしい。


狂言 政頼(せいらい) 山本東次郎大蔵流

以前、吉右衛門丈が歌舞伎舞踊化したものを観たので、オリジナルの狂言はどんなものだろうと楽しみにしていた。歌舞伎舞踊の方はかなり脚色してあったよう。こちらは、「通円」や「蝉」同様のお能の形式を借りた狂言

冒頭、「このごろ、仏教を信心する人が多く、皆極楽に行ってしまい、地獄は商売上がったり」という趣旨のことを閻魔大王がつぶやくのが面白い。また、このお話によれば、地獄の閻魔様は鳥の丸焼きがお好きなよう。ということは、今は仏教を信心している人は少ないから、私はせいぜい称名を唱えて極楽浄土を願う一方、死ぬ時は地獄に落ちても閻魔大王のご機嫌を損ねないよう鳥料理の一品でも持っていって、リスクヘッジするようにしよう。