国立劇場 邦楽へのいざない 音曲の司 義太夫節の魅力

週に二度も素浄瑠璃を聴く機会があるとは。素敵。


義太夫節入門

葛西聖司さんの進行による、つばささん&清軌さんのお話。意外にお話好きなつばささんのお話をスーパーテクで美しくまとめてしまう葛西さんの話術に感動しました。


浄瑠璃 四の切 咲師匠、燕三さん

静御前が鼓を叩いて狐忠信をおびき寄せるところから一旦狐忠信が去って鼓が鳴らなくなり、再度、狐忠信が戻って来るところまで。

相変わらず、咲師匠と燕三さんは大迫力でした。私にとって特に興味深かったのは三味線で、なんとなく以前から四の切の三味線は渋いなと思っていたが、改めて聴いてみると、三味線の旋律を取り出して「クール・ジャズのフレーズです」と言っても十分通用するくらい、洗練された旋律なのだった。この当時の義太夫節を支えていた人々はきっと最先端の演奏技術とセンスを持った人達だったに違いない。


それから燕三さんが、途中、ピッキング(ピチカート)のようなことをしていたようだったのも気になった。とはいっても、何箇所かそう思われる箇所があるにはあったのだが、音を聞いてあれっと思って急いで燕三さんの左手を見たときには既に演奏箇所はほぼ終わっており、きちんと確認出来なかった。少なくとも普通に撥で弦を叩いて出る音とは違う音がしていたのだが、あれはなんだったのだろう。気になる。


対談

トークで面白かったのは、咲師匠のお茶屋遊びのおはなし。ジャンケンのあっち向いてホイのような要領で、ブタの鳴きまねとかをするとか(フガフガみたいに)。しかもそれを歌舞伎の仁左衛門丈も一緒にやるとか!(なんか好きそう)…で、ふと思ったのだけど、七段目の由良さんも、やっぱり一力茶屋では、「めんない千鳥」みたいに優雅な遊びだけでなく、そーゆーフガフガ系の遊びをしていたのだろうか。それは、三人侍に怒られても仕方ないな。とゆーか、段切りに斧九太夫に対して、「よくも塩冶判官の逮夜にタコのお刺身一枚無理矢理食べさせたな!」とかいうけど、お主の逮夜にフガフガ系のお遊びをするのも同罪じゃないかと、思ってしまったことでした(うそです。ホントは九太夫が簀巻にされたのは師直側と通じてたからだけど)。